2016年4月10日日曜日

ムルソーの巨匠が新天地で手掛ける注目の白ワイン

ムルソーのトップ生産者として知られるコント・ラフォンより
当主のドミニク・ラフォンさんが来日。

彼がマコンで手掛けるワイナリー
「レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン」のワインについて
お話しを伺いました。


















↑ ドメーヌ・コント・ラフォンと
レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンを手掛けるドミニク・ラフォンさん


レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンは、
ムルソーから100㎞ほど南下したマコンにあり、
ドミニクさんが1999年に畑を購入して始めたドメーヌ。

英デキャンター誌が選ぶ「ブルゴーニュ生産者10傑」では2位に選ばれ
すでにブルゴーニュのトップ生産者としての地位を
確立している巨匠、ドミニク・ラフォンさん。

マコンというと、ブルゴーニュに比べると
まだまだ知名度の低いマイナーアペラシオン。
ムルソーのような高級ワインのイメージはありません。

マコンに進出したことについて、ドミニクさんは

「私の祖父は、まだムルソーが今のように注目されていなかった時代に
 多くの優れた畑を購入し、今のドメーヌ・コント・ラフォンを築き上げた。
 私はそんな祖父をとても尊敬していて、
 いつか自分もそんな産地を見つけて新しいワイン造りをしたいと思っていた。
 そうして見つけたのがマコンなのです。

 20年後には、マコンは今とは全く違う産地になっていると思います。」

と語ってくださいました。

実はマコンにはあのドメーヌ・ルフレーヴなど
ブルゴーニュの生産者たちが進出してきており
すでに注目の産地として知られつつあります。


今回は、畑や区画が異なる全8種のマコンをご紹介いただきました。



















↑ 8種のマコン 壮観です。



ブルゴーニュよりさらに南下した産地であるマコン。
実は地形は複雑で、ブルゴーニュより標高が高いところも多いそうです。
急峻に富んでいる地形のため、
南の畑のほうが北のそれよりも涼しい、なんてことも多いとか。

こうした豊かなテロワールを備えている産地だからこそ
区画ごとにワインを仕込みたくなるドミニクさんの気持ちもわかります。

実際に8つのキュヴェ、それぞれにキャラクターが全く異なり
非常に興味深いテイスティングでした。
中でも特徴的だったワインをご紹介します。





















 

ヴィレ・クレッセ




こちらは新しくリニューアルされたキュヴェ。
ドミニクさんが、
マコンの偉大なテロワールを表現していると評する銘醸地です。
こちらは、中でもシャトー・ド・ヴィレという
歴史ある生産者から購入した畑。
標高が高く、樹齢60年という高樹齢の樹が植えられており
ヴィレ・クレッセの中でも最も恵まれた畑の一つとのこと。

桃やパイナップルの豊かなアロマに
ウッド系のスパイス、ハーブのニュアンス。
さすが、ドミニクさんが「一番好きなキュヴェ」と話すように
他のマコンとは一線を画す個性を備えた1本です。


























マコン・ミリー・ラマルティーヌ



こちらはレ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンが所有する
マコンの中でも最も標高の高い区画。
標高が高く冷涼なため、南に位置するものの
収穫は一番最後になるそうです。

シトラスフルーツの厚みのある果実味
石灰質土壌由来の強いミネラルと鮮烈な酸。
ドミニクさんが「食事が欲しくなるワイン」と喩えるように
収れん性のある心地よい酸味が、食事を引き立てそうです。
実際に、フランス本国のレストラン「ピエール・ガニェール」では
昔からこのキュヴェをオンリストしているとか。









先ほどのミリー・ラマルティーヌと対照的なのがこちら。
標高が低く、粘土質土壌の南向きの畑。
太陽の光をたっぷりと浴び、
良く熟した黄桃やトロピカルなニュアンスが特徴的です。
酸はそれほど強くなく、濃密なスタイルで
食事がなくとも楽しめる魅力をもっています。


マコンには毎週のように通い
ムルソーにかけるのと同じように情熱をもってワイン造りをしているラフォンさん。
 
 「コント・ラフォンのムルソーの名声は、私が生まれた時から確立されていました。
  でもマコンのプロジェクトは、自分で1から始めました。
  可能性のある新しい土地を見出してワインを造るのはとてもエキサイティング。
  そしてマコンのいいところは、ムルソーよりずっと気軽に楽しめること!」

リラックスした笑顔で語るドミニクさんに、
巨匠のもう一つの顔が見えました。
 




















↑ ドミニクさんが持ってきてくれた昔のポスター。
 彼が考えるマコンのイメージにぴったりなのだとか。


▼レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=201




0 件のコメント:

コメントを投稿