2016年7月25日月曜日

いよいよ販売開始!「2015年ボルドープリムール」

本日よりエノテカ・オンラインで一般販売を開始した
「2015年ボルドープリムール」。

「プリムール」とは、樽熟成中のボルドーワインを先行予約販売することで
エノテカは日本で初めてこのプリムール販売を開始したパイオニア。

毎年販売しているプリムールですが、
実は2015年のボルドープリムールは、近年稀に見る盛り上がりをみせています!



















1995年、2005年は言わずと知れたグレートヴィンテージ。
ボルドーでは「5」が付く年は偉大な年という噂があり
今回もご多分に漏れず、素晴らしい出来という評判なのです。

この2015年は、イギリスのワイン専門誌『デキャンター』の顧問エディター、
スティーブン・スパリアー氏に「ボルドーの復活を見た」と言わしめたヴィンテージ。
彼は「すべての要素で満足のいく、まさに“大本命”に相応しい出来であると断言しています。





















↑『デキャンター』2016年6月号の「ボルドー2015年」特集

また、「ワインレポート」によると、
元ワインスペクテーター誌のジェームス・ザッケリングは、
16銘柄に100点満点を付け、
「ボルドー2015は2005や2000に比肩するファンタスティックな年」と表現した模様。

また、プリムールに対して批判的と目される
イギリスの女性評論家の大家、ジャンシス・ロビンソンですら
「2015年はこの5年間で初めてボルドー人が大騒ぎする価値のあるヴィンテージだと言える」
とコメントしているほどです。

エノテカでも、今春ボルドープリムールの試飲に参加したバイヤーが
トップシャトーにインタビュー。以下、そのコメントをご紹介します。

シャトー・マルゴー 

2005,09,10年と並んで偉大なヴィンテージの特徴をあわせ持っています。




















↑オーレリアン・ヴァランス氏

「シャトー・マルゴーにとって、まさに歴史的なヴィンテージです。
 グラン・ヴァン用にリザーヴされているのは全生産のわずか35%で、
 最高峰のヴィンテージの中では最も厳選した年と言えます。
 カベルネ・ソーヴィニヨンの活力と強さは例年以上になりました。
 これまでのヴィンテージと比較するのはほぼ不可能ですが、
 2005 年の力強さと2009 年の肉付きのよさ、2010 年の緻密さを
 同時に思い出すかもしれません。
 そして何より、シャトー・マルゴーの比類ない魅力もあわせ持っています。」


シャトー・ポンテ・カネ

ビオディナミの効果により見事な完熟ブドウが収穫できました。





















↑メラニー&アルフレッド・テスロン氏

「ポンテ・カネでは、年を追うごとにブドウの成熟が早まっており、
 これは明らかにビオディナミの効果によるものです。
 10 月3 日、最後のブドウの摘み採りが終わると同時に雨降りの時期に突入したため、
 我々はいかに幸運に恵まれているかを実感することになりました。
 優れたワインを造り続けていくためには、自身の伝統を最大限に尊重すると共に、
 私たちの土地に備わったテロワールを、
 より最高の形で表現していくことが重要だと考えます。」


シャトー・オー・ブリオン

類稀なるバランスを備えた記念碑的ヴィンテージ。 




















↑ジャン・フィリップ・デルマス氏

「例年の約半分という少雨と高い気温が続いた2015 年。
 ぺサック・レオニャンは7 月の雨がブドウのフレッシュさを保ち、
 気温の寒暖差が色付きを助けたおかげで見事に完熟。
 収穫は長い時間をかけて区画単位で慎重に行いました。
 ブドウは例年以上に豊満な果実味をもち、オー・ブリオンの歴史の中でも
 類稀なるバランスを備えた記念碑的なヴィンテージとなりました。
 また、白ワイン用のブドウは見事に熟し、フレッシュさと長期熟成の
 ポテンシャルを備えた素晴らしいものになりました。」


ジャン・ピエール・ムエックス

「来たれ! 太陽が高らかに我々に語りかける。」
― ルコント・ド・リール(19世紀フランスの詩人) 





















↑クリスチャン・ムエックス氏

「ブドウの色付きは、ポムロル、サン・テミリオンにおいて、概ね平年並み。
 8 月後半から9 月の頭に入ると、暑い日々が戻り、
 10 月1 日には全ての収穫を終えました。
 このヴィンテージで最も成功した産地の1 つがサンテミリオン。
 特にシャトー・ベレール・モナンジュはその中でも極めて純朴で
 無駄のないミニマリズム美を備えるスタイルとなりました。
 複雑な赤系果実やミネラルなど大地の息吹を感じさせてくれる香りに、
 艶やかで滑らかな味わいの余韻が永久に続きます。」


▼ボルドー2015プリムールの特設ページはこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/primeur/index.html



2016年7月18日月曜日

ローヌの“熱い”巨匠たちが来日!

先日、ローヌを代表する銘醸地
北のコート・ロティ、そして南のシャトーヌフ・デュ・パプより
同地を代表する名門ルネ・ロスタン、クロ・デ・パプの当主が来日。
それぞれのワイン造りについて、インタビューをさせていただきました。



























ローヌの巨匠お二人、
左からルネ・ロスタンのルネ・ロスタンさん。
右が、クロ・デ・パプのポール・ヴァンサン・アヴリルさん。
そして、お二人のワインを日本に紹介しているブルーノ・ラフォンさん。
(ムルソーの名門コント・ラフォンのオーナー、ドミニクさんの実弟です!)


まずはクロ・デ・パプについて。
銘醸地、シャトーヌフ・デュ・パプの中でも
最高の畑「クロ・デ・パプ(教皇の区画)」を所有し、
17世紀にはすでにその名が知られていたという名門中の名門。

現当主、ポール・ヴァンサン・アヴリルさんが
ワイン造りに携わり始めたのは16歳の頃。
ブルゴーニュやボルドーでワイン造りを学び、
そうした経験を積極的に取り入れ、さらなる名声を獲得しました。

クロ・デ・パプのワインには「ブルゴーニュに通じるエレガンスがある」
とよく言われますが、彼のブルゴーニュワイン好きは有名な話で、
今でも毎年ブルゴーニュを訪れているそうです。

実はお母様がブルゴーニュ出身の方だそうで、
「私のブルゴーニュ好きは遺伝的なものだから仕方ない(笑)」
とおっしゃっていました。
















クロ・デ・パプと言えば、世界第1位にも輝いた赤が有名ですが
実は赤ワインの10分の1と、少量造られる白ワインがとってもユニーク。

彼が造る白ワインには3つの段階があるそうで、
リリース直後の若々しく果実味が溢れる時期を経た後、
10年を超えるとブリオッシュのような香ばしさを纏い始め、
さらに15年以上経ったものは、ミネラルやヨード香が現れ、
極上のコニャックを思わせる芳醇さが感じられる最高潮を迎えるとか。







 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こちらは10年の熟成を経た2005年度産。


「なかなか飲み頃を見極めるのが難しいですね」という話をしていたら、
ヴァンサンさんが「よいアイデアがある!」と一言。

 「1ケース12本買ったらセラーに横並びにして、6本は左、6本は右に寄せておく。
  左側には手を付けないで、右側の6本を少しずつ試していけば、
  好みの飲み頃がわかるし、1本はとっておけるというわけ!(大笑い)」

おっしゃる通り、素敵なアイデアです!
が、財力のある方はぜひお試しを(笑)


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次はルネ・ロスタンについて。

ルネ・ロスタンは、ギガルと並んで
コート・ロティを代表するドメーヌ。
















現在の当主、ルネ・ロスタン氏が
フランス革命以前からアンピュイ村でワインを造ってきた親族と
夫人の祖母の畑をまとめる形でドメーヌを設立し、
定年を迎えた親族の畑を次々に相続することでドメーヌを拡大してきました。

彼が最初にワインをリリースしたのは1971年。
ワインを造り続けてかれこれ45年という、すごいキャリアの持ち主です。
これまでのワイン造りについて尋ねると、

 「約20年経った頃から自分のスタイルというものが出来てきて、
  ただ今でも毎日試行錯誤しながら、最上のワインを造る努力をしています。」

との言葉に、一同深く感動。

これだけのキャリアがあっても、常に工夫し続けることが
トップドメーヌであり続ける所以なのですね。


















2011年 コート・ロティ コート・ブロンド
21,000 円 (22,680 円 税込)


こちらは、ロスタン氏が一番お気に入りのキュヴェ。
石灰質土壌から生み出される
エレガンスを極めたコート・ロティです。

クロ・デ・パプのポール・ヴァンサン・アヴリルさんが
ブルゴーニュワイン好きということを受けて、
「どんなワインが好きですか?」と質問したところ

 「私は、世界中で造られる、正直な、まっとうなワインが好き! 
  造っている人らしさが出るワインはあんまりよくないね。
  人の手は極めてミニマムに。その土地らしいブドウを使って造られた
  エレガンスとバランスを備えた、長期熟成ができるワインが偉大なワイン。」

と答えてくださって、ヴァンサンさんも、ブルーノさんも深くうなずく場面がありました。

もちろんルネさんのワインも、ヴァンサンさんのワインも「正直なワイン」!

ローヌを代表する巨匠たちの熱いお話に魅了されたインタビューでした。

▼クロ・デ・パプの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=84

▼ルネ・ロスタンの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=40


2016年7月10日日曜日

フランチャコルタをリードし続ける名門「ベラヴィスタ」

先日、イタリア産スパークリングワインの最高峰
フランチャコルタの老舗ワイナリー「ベラヴィスタ」より
輸出部長のヴィタリアーノ・ティリート氏と
アジア・パシフィック担当マネージャー のヴェラ・マリサーニ女史が来日。

ベラヴィスタの魅力について語ってくださいました。






















アジア・パシフィック担当マネージャー のヴェラ・マリサーニ女史
輸出部長のヴィタリアーノ・ティリート氏


ベラヴィスタは1977年、
建設会社を経営していたヴィットリオ・モレッティ氏が設立。
当時のクライアントをもてなすために、
趣味でフランチャコルタを造ったのが始まりだったそうです。

ところがその遊び半分の趣味は、
ある人物との運命的な出会いによって本気のビジネスに。

その人物が、伝説的なワインメーカーである
マッティア・ヴェッツィオーラ氏。



















↑左 創始者にしてオーナーのヴィットリオ・モレッティ氏
  右 チーフワインメーカーのマッティア・ヴェッツィオーラ氏

「最高のスパークリングワインを造る」
という明確なヴィジョンをもったモレッティ氏と、
「天賦の才能とテクニック」をもった、ヴィタリアーノさん曰く
「クレイジーガイ」のマッティア氏が出会ったことで、
ベラヴィスタが生まれました。


創業約40年。
モダンなパッケージデザインからも新興のワイナリーと思われそうですが
実はフランチャコルタにおいて、ベラヴィスタは老舗中の老舗。

今ではイタリア随一のスパークリングワイン銘醸地として
世界に知られるフランチャコルタ地方ですが、
1970年代初頭は、全く無名の産地で、ワイナリーはほとんどありませんでした。

そもそもフランチャコルタの地名が、「Tax Free」に由来しており
16世紀頃は、大変痩せた土地で定住する人が少なく、
王様が人口の流出を防ぐために課税をなくした、なんて逸話があるほどだそうです。














現在ベラヴィスタが所有する畑は200ha。
フランチャコルタの全生産地2,800haのうち、
7%を占める最大規模の所有者です。

高級スパークリングワイン産地として知られるようになった今では、
フランチャコルタの畑を買うことは非常に困難だそうで、
黎明期によい畑を購入できたことが、ベラヴィスタの成功の秘訣のようです。

こうして初期に手に入れた自社畑のブドウ100%で
フランチャコルタを造るのがベラヴィスタのポリシー。
多くの生産者が買いブドウに頼るフランチャコルタにおいて、
大手生産者でこれを実践しているのはベラヴィスタだけ。

「フランチャコルタで一番コストがかかっているのがベラヴィスタ!」

とヴィタリアーノさん。





















シャンパーニュの名門、ルイ・ロデレールで修行をしたという
チーフワインメーカーであるマッティア氏が言うには、

「シャンパーニュはセラーで造られるが、フランチャコルタは畑で造られる。」

とのこと。

冷涼な気候で完熟したブドウを安定的に収穫することが
困難なシャンパーニュ地方では、
大量のワインのストックをもち(リザーヴワイン)、
それらをブレンドすることが、安定した品質のシャンパーニュを造るカギとなります。

一方で、温暖な気候に恵まれているフランチャコルタでは
完熟したブドウができるのは当たり前。
いかにその良質なブドウの風味を生かしたスパークリングワインを造るか、
が成功のカギとなります。

ベラヴィスタでは、ぎりぎりまで完熟させたブドウを
400人もの人員を投入して一気に収穫。
通常1時間くらいで行うプレスを、4時間ほどかけてゆっくりソフトに行い
雑味のない果汁だけをしぼります。





















こちらはスタンダード・キュヴェの「アルマ・グラン・キュヴェ」。

洋ナシ、白い花、バニラなどの複雑な香り。
泡はとてもクリーミー。
これまでは「ブリュット」でしたが
昨年「アルマ・グラン・キュヴェ」と大きくリニューアルしました。

リリースから約40年。
グラン・キュヴェに相応しい品質を備えたと判断され、
熟成期間は24ヶ月だったのを30ヶ月に伸ばし、
中身も一回り成長した新しいキュヴェです。

自社畑100%にこだわるベラヴィスタでは、
これ以上生産量やラインナップを増やすことは考えておらず、
これからは、一つ一つのキュヴェの品質を高めていくことに力を注いでいくそう。

その筆頭がこのアルマ・グラン・キュヴェ。

「アルマ・グラン・キュヴェはワイナリーの名刺とも言えるフラッグシップ。 
 このキュヴェの品質向上に力を入れることが今一番大切!」

ヴィタリアーノさんが熱く語ってくださいました。

ますます美味しくなるアルマ・グラン・キュヴェに期待してます!

▼会員様限定特別価格実施中 アルマ・グラン・キュヴェはこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/detail/046123969300





2016年7月4日月曜日

フランスの生産者がすすめる「寿司ワイン」と「刺身ワイン」

日本で夏に飲む白ワインと言えば「シャブリ」
という方が多いようですが、実は本場フランスで夏に飲む白ワインといえば
ロワールの「サンセール」というのをご存じですか?

何でも、パリでは夏になるとビストロでは
テーブルのほとんどがサンセールの白ワインになるとか。。

そんなサンセールの名手、パスカル・ジョリヴェより
先日、当主のパスカル・ジョリヴェさんが来日。
ロワールの白ワインの魅力を語ってくださいました。




















↑いつもダンディなパスカル・ジョリヴェ氏
 「和食に世界一合うのはシャブリじゃなくてサンセール!」と
 自信たっぷりに話してくださいました。


最近はニューワールドの
ソーヴィニヨン・ブランも世界中でヒットしていますが
トロピカルフルーツなどの華やかなアロマが強すぎることも。

ロワールのソーヴィニヨン・ブランは
「どんなに飲んでも飲み疲れしないのが特徴」とパスカルさんが話すように、
爽やかなアロマとキレのあるミネラル、
フレッシュな酸があり、ついつい杯を重ねたくなる味わいが身上です。

サンセールとプイィ・フュメ、
どちらもロワール川を隔てて両岸にある
ソーヴィニヨン・ブランの銘醸地として知られていますが、
いまいちその違いがわからない、という方も多いのではないでしょうか。

そんな二つのワインの説明として興味深かったのが、
パスカルさんが「サンセール」と「プイィ・フュメ」がそれぞれ
「寿司に合うワインと、刺身に合うワイン」としておすすめしてくださったこと。

パスカル・ジョリヴェさんがおすすめする
寿司に合うワインは・・・


















↓こちらの「サンセール」





















サンセール / パスカル・ジョリヴェ
3,800 円 (4,104 円 税込)

ハーブや柑橘類の爽快なアロマとキレのある酸味が特徴のサンセール。
力強さが特徴のプイィ・フュメと比べると、より繊細で柔らかい印象です。
ドライでありながらも、ジューシーな果実味もしっかりとあり、
酢飯を使った寿司とは最高のマリアージュだそう。

寿司の中でも、特に白身魚やエビ、ウニなどの甲殻類との相性は抜群!
 


そして刺身に合うワインは・・・






















↓こちらの「プイィ・フュメ」





















プイィ・フュメ / パスカル・ジョリヴェ
3,800 円 (4,104 円 税込)


プイィ・フュメは、サンセールよりも
スモーキーな香りと後味にやや苦みを感じる力強い味わいが特徴。
パスカルさん曰く、サンセールがレモンなら
プイィ・フュメはグレープフルーツだそう。

そしてスモーキーな香りが特徴的なプイィ・フュメは
ワインには合わせにくいと言われる醤油との相性も抜群。

白身だけでなく赤身の魚とも好相性で
様々な刺身の盛り合わせにプイィ・フュメは最高だとか。
牡蠣などの貝類ともよく合いそうです。


実際に飲み比べてみると、その違いは歴然!

柑橘系のアロマが際立つ繊細なサンセールと
より力強くドライな印象のプイィ・フュメ。

どちらかというと、サンセールの方がやわらかく繊細な味わいで
生の魚介類はもちろん、砂糖や酢で調理した酢飯や
ダシを効かせた和食とも親和性がありそうです。

一方、力強いプイィ・フュメは、
魚介類の刺身はもちろん、鶏肉や豚肉と合せても◎。
独特のキレと苦みが、ついつい杯を重ねたくなる美味しさです。

「寿司に合うサンセール」と「刺身に合うプイィ・フュメ」。
ぜひ飲み比べで楽しんでみてはいかがでしょうか♪